マスケラード
SD妄想吐き出しブログ。
【池魚】さっきの手紙のご用事なあに【続・黒ヤギさん】
白ヤギさんからお手紙ついた。
黒ヤギさんたら読まずに食べた。
黒ヤギさんたら読まずに食べた。
いつも決まって、店を閉めた頃に池上はやって来る。
他の客がいるところでは込み入った話はしづらい、というのなら分かる。だが、あいつの場合はそういう理由ではないように思える。
というのも、あまり話をしないのだ。
店に来て、俺の料理を食べて、帰る。
これだけだ。やることは他の客と大差ない。まぁ客として来ているのだから当たり前なのだが、親友なのだからもう少し積もる話ぐらいないのだろうかと思う。
かといって俺の方から話すこともあまり無い。その日きた客の話や手に入れた食材の話をちらほらとするぐらいだ。
しかし、それが嫌なのかというと、そういうわけではない。
池上は俺の料理を食べ、俺は俺で翌日の下準備をする。
お互いに黙々と自分の作業を行うだけなのだが、池上とはこういう沈黙があっても気まずくならない。高校の時からそうだった。一種の安心感がある、と言えばいいのだろうか。
隣にいれば、それでいい。
料理を食べ終わると、池上は感想を言う。
最初のころはバスケをやっていた頃さながらにダメ出しを受けたこともあったが、今ではそんなこともなくなった。池上はそういうところはハッキリと言ってくれる奴なので、あいつからダメ出しが無くなったということは、自分の腕も上がったのだろうと自信に繋がった。
そして、「ごちそうさま」と代金を支払い、「おやすみ、魚住。明日も頑張れよ」と言って帰って行くのだ。
ところが、その日は様子が違った。
いつものように俺が暖簾を下ろしていると、池上が現れた。
おう、来たか。店に入って待っててくれと言うと、今日は飯を食べに来た訳じゃないんだと言う。どういうことだろうかと困惑していると、突然花束を手渡された。
「…花束?今日なんかあったか?」
「いや、特にそういった出来事はない。ただ、渡したくなったんだ。意味は分からなくてもいい。受け取ってくれないか?」
あまりにも真剣な表情でそう言ってくるものだから、俺も詳しく話を聞くことができないまま、花束を受け取ってしまった。
先ほどまでの表情から一転し、ありがとう、と柔らかく微笑み、池上はそのまま帰って行った。
花束をもらったはいいが、自分の部屋に飾るには少々似合わない。すると、親父が店に飾ってもいいと言うので、そうさせてもらうことにした。
紫の綺麗な花だった。
魚の名前なら詳しいが、花の名前にはとことん疎かったため、花の名前すら知らなかったが、お客さんにダッチアイリスという花だと教えてもらった。
店に来る人々から「綺麗な花だね」と言われるたびに、これを選んだ池上のことまで誉めてもらえた気がして嬉しくなった。
「これ、ダッチアイリスだよね?」
飾り始めて一週間がたった頃、一人のお客さんにそう聞かれた。
この花の名前を知っていたの人は、その人で二人目だった。意外と知ってるもんなんだなぁと思い
「そうらしいですね。俺はこういうのに詳しくないから知らなかったんですけど、前に他のお客さんから教えてもらいました。結構有名な花なんですか?」
と、聞いた。すると、
「いやぁ有名かどうかは分からないけど、カミさんにプロポーズするときに使ったんだよ。これの花言葉ってね、“恋のメッセージ”とか“あなたを大切にします”って感じでさ。気持ちを伝えるのにピッタリだったんだ。それで、どうしても言葉で言うのが恥ずかしかったから、これを渡したんだよ」
という答えが返ってきた。
懐かしいなぁとぼんやりするお客さんを尻目に、俺はその花言葉を持つ花を渡してくれた相手を思い出し、完全に思考が停止した。
俺の手元にいた魚は、押さえつけられる力が弱くなったため、びちびちと最後の力を振り絞るように力強く跳ね、俺の手から床へと逃げた。
親父から怒鳴られたのは言うまでもない。
****************************************************
こういうベタな展開が好き。
他の客がいるところでは込み入った話はしづらい、というのなら分かる。だが、あいつの場合はそういう理由ではないように思える。
というのも、あまり話をしないのだ。
店に来て、俺の料理を食べて、帰る。
これだけだ。やることは他の客と大差ない。まぁ客として来ているのだから当たり前なのだが、親友なのだからもう少し積もる話ぐらいないのだろうかと思う。
かといって俺の方から話すこともあまり無い。その日きた客の話や手に入れた食材の話をちらほらとするぐらいだ。
しかし、それが嫌なのかというと、そういうわけではない。
池上は俺の料理を食べ、俺は俺で翌日の下準備をする。
お互いに黙々と自分の作業を行うだけなのだが、池上とはこういう沈黙があっても気まずくならない。高校の時からそうだった。一種の安心感がある、と言えばいいのだろうか。
隣にいれば、それでいい。
料理を食べ終わると、池上は感想を言う。
最初のころはバスケをやっていた頃さながらにダメ出しを受けたこともあったが、今ではそんなこともなくなった。池上はそういうところはハッキリと言ってくれる奴なので、あいつからダメ出しが無くなったということは、自分の腕も上がったのだろうと自信に繋がった。
そして、「ごちそうさま」と代金を支払い、「おやすみ、魚住。明日も頑張れよ」と言って帰って行くのだ。
ところが、その日は様子が違った。
いつものように俺が暖簾を下ろしていると、池上が現れた。
おう、来たか。店に入って待っててくれと言うと、今日は飯を食べに来た訳じゃないんだと言う。どういうことだろうかと困惑していると、突然花束を手渡された。
「…花束?今日なんかあったか?」
「いや、特にそういった出来事はない。ただ、渡したくなったんだ。意味は分からなくてもいい。受け取ってくれないか?」
あまりにも真剣な表情でそう言ってくるものだから、俺も詳しく話を聞くことができないまま、花束を受け取ってしまった。
先ほどまでの表情から一転し、ありがとう、と柔らかく微笑み、池上はそのまま帰って行った。
花束をもらったはいいが、自分の部屋に飾るには少々似合わない。すると、親父が店に飾ってもいいと言うので、そうさせてもらうことにした。
紫の綺麗な花だった。
魚の名前なら詳しいが、花の名前にはとことん疎かったため、花の名前すら知らなかったが、お客さんにダッチアイリスという花だと教えてもらった。
店に来る人々から「綺麗な花だね」と言われるたびに、これを選んだ池上のことまで誉めてもらえた気がして嬉しくなった。
「これ、ダッチアイリスだよね?」
飾り始めて一週間がたった頃、一人のお客さんにそう聞かれた。
この花の名前を知っていたの人は、その人で二人目だった。意外と知ってるもんなんだなぁと思い
「そうらしいですね。俺はこういうのに詳しくないから知らなかったんですけど、前に他のお客さんから教えてもらいました。結構有名な花なんですか?」
と、聞いた。すると、
「いやぁ有名かどうかは分からないけど、カミさんにプロポーズするときに使ったんだよ。これの花言葉ってね、“恋のメッセージ”とか“あなたを大切にします”って感じでさ。気持ちを伝えるのにピッタリだったんだ。それで、どうしても言葉で言うのが恥ずかしかったから、これを渡したんだよ」
という答えが返ってきた。
懐かしいなぁとぼんやりするお客さんを尻目に、俺はその花言葉を持つ花を渡してくれた相手を思い出し、完全に思考が停止した。
俺の手元にいた魚は、押さえつけられる力が弱くなったため、びちびちと最後の力を振り絞るように力強く跳ね、俺の手から床へと逃げた。
親父から怒鳴られたのは言うまでもない。
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こういうベタな展開が好き。
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きりん
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自己紹介:
主に福田と仙道に狂ってます。

