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【仙福】ジャンケン

福田と仙道がジャンケンする話。

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茹だるような暑さの中、自転車がキィキィと悲鳴を上げながら走っていた。

「福田、スピード落ちてるぜ」

返ってくるのは苦しげな息遣いだけだった。二人分の体重を乗せた自転車はノロノロと坂を登っていく。

坂を登り切ると、福田は俯いたまま無言で俺の方に拳を突き出した。髪は力なく垂れ下がり、汗は滝のように流れている。まるで試合を終えた後のようだ。その姿を見ていると、何ともいえぬ感情がこみ上げてくる。
避けたい区間は越えたし、そろそろ交代するか。そう思って俺は腕を振り上げた。

「じゃん、けん、ぽん」






下り坂を颯爽と駆け下りる。身をすり抜けていく風が気持ちいい。スピードを緩めずにハンドルを切り、海岸沿いの道に出た。
太陽の光が反射して海が眩い。休日であるせいか、観光客と思わしきカップルや家族連れがちらほらいる。


しばらくすると、コツンと後頭部に何かがぶつかった。そして、触れるかどうかギリギリの距離を保ったままその何かがゆらゆらと揺れているのが分かった。

「おーい寝るなー。危ねーぞ」

返事とも呻き声ともつかない声が背中から聞こえた。汗でびっちょりと濡れた福田の髪が首に触れ、少しぞわぞわする。
こんな不安定な状態でうつらうつらしているところを見ると、よほど先ほどまでの道のりが堪えたらしい。さすがに楽をしすぎたかと、ほんのちょっぴり罪悪感を感じた。

「なぁ、いつもの駄菓子屋寄っていい?」

後頭部に再び何かがぶつかった。おそらく福田が頷いたのだろう。

駄菓子屋に着いたらアイスでも奢ってやろう。だが、今の状態で福田にアイスを奢ると言ったら、きっと断られるだろう。遠慮するというわけではない。俺にバテてると思われるのが嫌なのだ。
そのことを俺も分かっているので「奢る」とは口にしない。そのかわり、「ジャンケンで負けた方が勝った方に奢る」と提案するのだ。

そして俺はさっきと同じようにパーを出せば、それでいい。


「駄菓子屋に着いたらさ、ジャンケンで負けた方が勝った方に奢ろうぜ」

コツン。
了承は得られた。あとは福田を落とさないようにしながら、駄菓子屋まで自転車を走らせればいいだけだ。
俺はペダルに力を込め直した。








****************************************************
仙福の日に間に合ってない上に、仙+福っぽいけど気にしない。



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プロフィール

HN:
きりん
性別:
女性
自己紹介:
主に福田と仙道に狂ってます。

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