マスケラード
SD妄想吐き出しブログ。
【仙福】大学生パロ。
仙道が片思いずるずる引きずったまま大学生になっちゃったよパロ。
下品な表現があるので注意。
下品な表現があるので注意。
「フラレタカラナグサメテ」
今まで一度も使わずにいたポケベルに書き込んだ、記念すべき第一声はそれだった。
「お待たせ」
「…遅い」
「悪い悪い、先輩に捕まっちゃって」
「いいから行くぞ」
「おう」
久々に聞く相変わらずぶっきらぼうな物言いに、思わず苦笑いする。
大学に入って一年が経った。
俺と福田は別々の大学に進んだこともあり、会うのは高校を卒業して以来だ。
たった一年という時間だったのに、もう何年も会っていなかったような気がしてしまう。
「何で振られたんだ」
「んー体の相性?」
「……」
「ははは、冗談だよ。つまんない男だって捨てられちゃった」
「…ふーん」
これは半分本当で、半分嘘だ。
というより、両方合わせたのが本当の理由だと言った方が正しい。
ある日、学食で顔も名前も知らない女が話しかけてきた。どうやら俺に気があるようだった。
興味も無かったので生返事しかしていなかったが、何故か次の日も、そのまた次の日も俺の前に現れた。こっちが胸焼けしそうになるくらい熱烈なアプローチだった。
それが何週間か続いた頃、女から告白された。
そして俺も受け入れた。
ところが、いざ本番というときに問題は発生した。
勃たなかったのだ。
女がいくら誘おうと、何をしようと、自分でもビックリするぐらい無反応だった。
「このインポ野郎!」
女はそう捨て台詞を吐いて、俺の元から去った。今どきの昼ドラでも言わないような強烈な台詞だったものだから、女が部屋から出ていった後に大笑いした覚えがある。
インポ野郎、か。
別に、本当に勃たないわけではない。普通にオナニーだってする。ただ、そのオカズが特殊なだけだ。
そのオカズは今、テーブルにある。
いや、テーブルの前にいる。
「福田もビール?」
「いや、カシスソーダ」
「…酒弱いの?」
「悪いか」
「ううん。無理して強い酒飲むよりずっといいと思う」
「酒が飲めなくてからかわれるのはムッとするが、泥酔して迷惑かけるよりよっぽどいい」
「それが利口だよ」
福田は、こういうところは俺よりもずっときっちりしている。
きっと大学の先輩や友達と飲みに行ってもこんな感じなのだろう。流されるか、気付かれないように避けようとする俺とは大違いだ。
一度だけ、福田の大学まで行ったことがある。
あの女に言い寄られ始めた頃だ。
何故か無性に福田と会いたくなって、午後の授業を自主休講して突発的に探しに行った。もちろん福田に連絡も取らずにだ。
大学の中をうろうろしていると、懐かしい姿を見つけた。
だが、周りには当たり前だが俺の知らない仲間がたくさんいた。福田は高校のときのように仏頂面ではあったが、普通に楽しくやっているのはよく分かった。
自分がひどく場違いなような気がしたし、実際そうだったと思う。
結局俺は声もかけずにそのまま惨めな気分で自宅に帰った。
そのときに思ったのだ。
「忘れよう」と。
俺と違って一般入試で大学に入った福田は授業だって忙しいだろう。新しい友達とも上手くやっている。
それをどうしてわざわざ邪魔する必要があるのだろうか。
忘れよう、忘れよう、忘れよう。
あの男のことは忘れよう。いつか開ける日がくるんじゃないかと少し期待をして蓋をして取っておいたこの気持ちも、捨ててしまおう。
そう思って、中身を捨てて空っぽになった器に、女からもらった腐るほどの気持ちを詰め込んだのだ。
だがどうやら、自分でも気付かないほどの速さで、そんなものはすぐに蒸発して消えてしまっていたらしい。
そしてあの「インポ野郎」事件が起き、現在に至るわけである。
「お前、飲み過ぎ」
「そんなことないよ…とっ」
「フラつきながら言うな」
意識はハッキリしていたが、立ってみると足元は少しおぼつかなくなっていた。こんなに飲んだのはいつぶりだろう。
そんなことを考えているうちに、福田が会計を済ませて戻ってきた。
「家は?」
「ん…えっと、電車で…」
「俺ン家の方が近いな。行くぞ」
「あー…」
「なんだ」
「いや、何でもない」
肩を借りながら、無事に福田の家に着いた。
部屋に入るとベッドに乱暴に転がされ、福田はさっさと台所の方に行ってしまった。
ごろりと体の向きを変え、辺りを見回す。福田らしい几帳面な部屋だ。
奥の本棚には漫画に混じってバスケ関連の本やらビデオがぎっしり詰まっていた。その中には、前に俺があげたNBAのビデオも入っていて、少しどきりとした。
「水飲むか」
「あっ、うん」
突然声をかけられ、慌てて返事をした。少し声が上ずってしまったが、変に思われなかっただろうか。
気分を落ち着かせようと軽く深呼吸をする。と、今度は懐かしい匂いが鼻孔をくすぐった。
当然だ、ここは福田の家なのだから。
せっかく酔いが覚めてきたというのに、心臓の音はさっきよりも遥かにうるさくなっていた。全身に血液が脈打つ感覚が分かる。顔もなんだか熱い。
「お前……さっきより顔赤くなってないか…?」
怪訝な顔でこちらを見ながら、福田が水を持ってきてくれた。
福田の目が心配そうにこちらを覗きこんでくる。
目の前に福田がいる。
ずっと、頭の中にしかいなかった福田が。
今、目の前に。
気付いたら俺は馬乗りになっていた。自分でも何が起こったのかよく分からない。
でも、ずっと会えなかった福田が目の前にいて、俺は勃たなくて女に振られて、何かもうどうでもよくなって。
無理矢理、キスをした。
逃げようとする舌を逃がさないように絡めとる。呼吸が苦しくなるくらい、何度も角度を変えながら噛みついた。
その間、俺は福田の腕を押さえつけてはいたが、力を込める必要はまるで無かった。
「…何で抵抗しねーの?」
ようやく顔を離して、開口一番に聞いた。
「お前、俺より力強いだろ。何で抵抗しないんだよ。俺の手を振りほどいて殴れば良かったろ。殴って、突き飛ばして、罵って、追い出せば良かったんだよ。何で、何で黙ってキスされてんだよ。おかしいだろ。お前、こんなの、おかしい」
我ながら理不尽なことを言っていると思う。まるで癇癪を起こした子供のようだ。
頭に浮かんだことが全て口からポロポロと勝手にこぼれてしまう。止める暇さえない。
「…なぁ………何とか言ったらどうなんだ……福だってぇッ!?」
さっきまでただ黙って俺の脈絡のない言葉を聞いているだけだった福田が、急に例の「ほわちゃあ!」という掛け声と共に、俺の額に一撃を喰らわせてきた。
「…っ……何すんだよ…」
鈍い痛みに思わず額を抑える。
福田はというと、上半身を起こしながらフンと鼻を鳴らして言った。
「そんな顔してる奴を突き放せるか」
そこでようやく、
「あぁ、自分は泣いているのだ」
と、気付かされた。
****************************************************
「このインポ野郎!」って言われる仙道が書きたかっただけだったりします。
BGMはス/ガ/シ/カ/オの「かわりになってよ」。
続きはまた今度。か、も。
今まで一度も使わずにいたポケベルに書き込んだ、記念すべき第一声はそれだった。
「お待たせ」
「…遅い」
「悪い悪い、先輩に捕まっちゃって」
「いいから行くぞ」
「おう」
久々に聞く相変わらずぶっきらぼうな物言いに、思わず苦笑いする。
大学に入って一年が経った。
俺と福田は別々の大学に進んだこともあり、会うのは高校を卒業して以来だ。
たった一年という時間だったのに、もう何年も会っていなかったような気がしてしまう。
「何で振られたんだ」
「んー体の相性?」
「……」
「ははは、冗談だよ。つまんない男だって捨てられちゃった」
「…ふーん」
これは半分本当で、半分嘘だ。
というより、両方合わせたのが本当の理由だと言った方が正しい。
ある日、学食で顔も名前も知らない女が話しかけてきた。どうやら俺に気があるようだった。
興味も無かったので生返事しかしていなかったが、何故か次の日も、そのまた次の日も俺の前に現れた。こっちが胸焼けしそうになるくらい熱烈なアプローチだった。
それが何週間か続いた頃、女から告白された。
そして俺も受け入れた。
ところが、いざ本番というときに問題は発生した。
勃たなかったのだ。
女がいくら誘おうと、何をしようと、自分でもビックリするぐらい無反応だった。
「このインポ野郎!」
女はそう捨て台詞を吐いて、俺の元から去った。今どきの昼ドラでも言わないような強烈な台詞だったものだから、女が部屋から出ていった後に大笑いした覚えがある。
インポ野郎、か。
別に、本当に勃たないわけではない。普通にオナニーだってする。ただ、そのオカズが特殊なだけだ。
そのオカズは今、テーブルにある。
いや、テーブルの前にいる。
「福田もビール?」
「いや、カシスソーダ」
「…酒弱いの?」
「悪いか」
「ううん。無理して強い酒飲むよりずっといいと思う」
「酒が飲めなくてからかわれるのはムッとするが、泥酔して迷惑かけるよりよっぽどいい」
「それが利口だよ」
福田は、こういうところは俺よりもずっときっちりしている。
きっと大学の先輩や友達と飲みに行ってもこんな感じなのだろう。流されるか、気付かれないように避けようとする俺とは大違いだ。
一度だけ、福田の大学まで行ったことがある。
あの女に言い寄られ始めた頃だ。
何故か無性に福田と会いたくなって、午後の授業を自主休講して突発的に探しに行った。もちろん福田に連絡も取らずにだ。
大学の中をうろうろしていると、懐かしい姿を見つけた。
だが、周りには当たり前だが俺の知らない仲間がたくさんいた。福田は高校のときのように仏頂面ではあったが、普通に楽しくやっているのはよく分かった。
自分がひどく場違いなような気がしたし、実際そうだったと思う。
結局俺は声もかけずにそのまま惨めな気分で自宅に帰った。
そのときに思ったのだ。
「忘れよう」と。
俺と違って一般入試で大学に入った福田は授業だって忙しいだろう。新しい友達とも上手くやっている。
それをどうしてわざわざ邪魔する必要があるのだろうか。
忘れよう、忘れよう、忘れよう。
あの男のことは忘れよう。いつか開ける日がくるんじゃないかと少し期待をして蓋をして取っておいたこの気持ちも、捨ててしまおう。
そう思って、中身を捨てて空っぽになった器に、女からもらった腐るほどの気持ちを詰め込んだのだ。
だがどうやら、自分でも気付かないほどの速さで、そんなものはすぐに蒸発して消えてしまっていたらしい。
そしてあの「インポ野郎」事件が起き、現在に至るわけである。
「お前、飲み過ぎ」
「そんなことないよ…とっ」
「フラつきながら言うな」
意識はハッキリしていたが、立ってみると足元は少しおぼつかなくなっていた。こんなに飲んだのはいつぶりだろう。
そんなことを考えているうちに、福田が会計を済ませて戻ってきた。
「家は?」
「ん…えっと、電車で…」
「俺ン家の方が近いな。行くぞ」
「あー…」
「なんだ」
「いや、何でもない」
肩を借りながら、無事に福田の家に着いた。
部屋に入るとベッドに乱暴に転がされ、福田はさっさと台所の方に行ってしまった。
ごろりと体の向きを変え、辺りを見回す。福田らしい几帳面な部屋だ。
奥の本棚には漫画に混じってバスケ関連の本やらビデオがぎっしり詰まっていた。その中には、前に俺があげたNBAのビデオも入っていて、少しどきりとした。
「水飲むか」
「あっ、うん」
突然声をかけられ、慌てて返事をした。少し声が上ずってしまったが、変に思われなかっただろうか。
気分を落ち着かせようと軽く深呼吸をする。と、今度は懐かしい匂いが鼻孔をくすぐった。
当然だ、ここは福田の家なのだから。
せっかく酔いが覚めてきたというのに、心臓の音はさっきよりも遥かにうるさくなっていた。全身に血液が脈打つ感覚が分かる。顔もなんだか熱い。
「お前……さっきより顔赤くなってないか…?」
怪訝な顔でこちらを見ながら、福田が水を持ってきてくれた。
福田の目が心配そうにこちらを覗きこんでくる。
目の前に福田がいる。
ずっと、頭の中にしかいなかった福田が。
今、目の前に。
気付いたら俺は馬乗りになっていた。自分でも何が起こったのかよく分からない。
でも、ずっと会えなかった福田が目の前にいて、俺は勃たなくて女に振られて、何かもうどうでもよくなって。
無理矢理、キスをした。
逃げようとする舌を逃がさないように絡めとる。呼吸が苦しくなるくらい、何度も角度を変えながら噛みついた。
その間、俺は福田の腕を押さえつけてはいたが、力を込める必要はまるで無かった。
「…何で抵抗しねーの?」
ようやく顔を離して、開口一番に聞いた。
「お前、俺より力強いだろ。何で抵抗しないんだよ。俺の手を振りほどいて殴れば良かったろ。殴って、突き飛ばして、罵って、追い出せば良かったんだよ。何で、何で黙ってキスされてんだよ。おかしいだろ。お前、こんなの、おかしい」
我ながら理不尽なことを言っていると思う。まるで癇癪を起こした子供のようだ。
頭に浮かんだことが全て口からポロポロと勝手にこぼれてしまう。止める暇さえない。
「…なぁ………何とか言ったらどうなんだ……福だってぇッ!?」
さっきまでただ黙って俺の脈絡のない言葉を聞いているだけだった福田が、急に例の「ほわちゃあ!」という掛け声と共に、俺の額に一撃を喰らわせてきた。
「…っ……何すんだよ…」
鈍い痛みに思わず額を抑える。
福田はというと、上半身を起こしながらフンと鼻を鳴らして言った。
「そんな顔してる奴を突き放せるか」
そこでようやく、
「あぁ、自分は泣いているのだ」
と、気付かされた。
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「このインポ野郎!」って言われる仙道が書きたかっただけだったりします。
BGMはス/ガ/シ/カ/オの「かわりになってよ」。
続きはまた今度。か、も。
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プロフィール
HN:
きりん
性別:
女性
自己紹介:
主に福田と仙道に狂ってます。

